“おひとりさま”のススメ
4月11日、小学6年生を対象とした「合不合判定予備テスト」が実施された。
ご自宅に届いた試験結果に、各ご家庭では泣いたり笑ったり。色々な表情が浮かんだことだろう。
この結果について、あまり過剰な反応をしすぎるのは禁物だ。
どんなに結果が悪くても、「こんな結果では志望校合格はムリだ……」なんて言ってはいけない。
逆に「この結果なら安心だ。絶対に合格できるだろう」と浮かれてしまってもいけないのである。
模擬試験とはそんな一喜一憂をする為の物ではない。
そんな結果の事はさておき、皆さんのお子様は模擬試験に一人で行っているだろうか?
「大切な子供だから」と言って、何かのトラブルに巻き込まれないよう一緒に会場へ行っていないだろうか?
ハッキリ結論だけを言おう。
「模擬試験くらい、子供一人で行かせるべきである」。
「大切な子供だから」こそ、一人で会場まで向かわせなければならない。
そもそも模擬試験とは、「今の実力を知るため」、「自分が受験生全体の中でどのくらいの位置なのかを確かめるため」、「自分の弱点を知るため」、そして「試験本番の空気に慣れるため」に受験するもの。
特にこの「試験本番の空気に慣れる」ことは、中学受験において非常に大きな意味を持つ。
というのも、本番で想像を絶するほど緊張してしまう子供たちというのが非常に多いからだ。
こういう子供たちはピーンと糸が張り詰めたような、呼吸するのも苦しくなりそうな空気の中で、頭は真っ白で手は震え、全く実力を出せずに不合格になってしまっている。
こんな悲劇的な結末を迎えないために、いわば本番で実力を発揮するため、「試験本番の空気に慣れる」ことが大切だ。
その為にはとにかく場数をこなすこと。イチローも言っていたが、「本番は練習の結果」でしかない。いかに「普段通り」臨めるかが勝負のカギ。
だからこそ、「模擬試験くらい、子供一人で行かせるべき」だ。
試験本番では、どんなトラブルが発生してもそれは全て自分の責任である。そんな時にパニックにならないよう、日頃から子供一人で色んな事をさせてあげて欲しい。
模擬試験前日には持ち物、交通経路、集合時間などを全て自分で管理させ、当日の計画を考えさせる。
そうすることで何よりも子供自身に「これは自分の試験だ」という意識が芽生えて、何か問題が起きても自力で何とかしようとする強い力が育まれる。
もしもお母さんがあれもこれもと準備を整えてあげてしまっていたら、いつまで経っても子供は自立しない。
本番に近い環境を経験できない。
「試験」と言う「非・日常」の出来事がいつまで経っても「普段通り」にならないのである。
ここまで強く「模擬試験くらい、子供一人で行かせるべき」と言うのには理由がある。
例えば毎年、模擬試験ではいつも志望校合格の安全圏に入っていた生徒が不合格になってしまうケースがある。
これはいわゆる先ほど言ったパターン、「本番で想像を絶するほど緊張」してしまったからだ。
こういう生徒はほぼ例外なく、模擬試験会場に保護者がべったりとついてやって来るような家庭である。
そしてこういう生徒に限って、いつもの実力を出し切れずに不合格になってしまう。
試験中に、もう保護者は何も助けてやることはできない。
「受験」という特殊環境で実力を出し切るためには、どんな時でも動じない強い心がなければいけないのである。
試験本番では誰も助けてくれない。早いうちから“おひとりさま”に慣れておくことが、受験で勝利する鉄則。
可愛い我が子に旅をさせる、そういう勇気も保護者には必要なのだ。
