「必ず出来る!」の信念を
国語とは、中学受験における「守り」である。
この「守り」を疎かにしては栄冠は勝ち取れないことは、先週熱く語った通り。
ではここでもう一度振り返ってみよう。
この何よりも大事な「守り」を固める上で、最も大切なものは何か。
しっかり覚えていらっしゃいますね? そう。ズバリ、「形」である。
以前にスポーツを例に取って考えた通りである。
サッカーにしても野球にしても、守りを固めるにはしっかりとした「形」、つまりフォーメーションが大切だ。
個人競技にしたって、例えば格闘技にしてもそう。例えば空手だとまず最初に稽古で習うのが演舞の形である。
この「形」が崩れた瞬間、蹴りも突きもバラバラになり、しっかりとした威力のある攻撃が不可能。
全てに共通して言えるのが、基本の「形」をしっかりと体得できているかどうかがカギということ。
これは国語でも全く同じ原理・原則なのだ。
まずはしっかりと「形」を覚え、あとはしっかりとそれを固めていく事が肝要である。
国語における「形」とはすなわち「文章構造」のこと。
説明文の「形」、物語文の「形」をしっかりと理解し、とことん演習問題をこなして基礎を固めよう。
しかしながら、もう一つ忘れてはならない事がある。
それは、「必ず国語はできるようになる」ということだ。
「何をそんな事……」と思われるかもしれない。
しかし、この気持ちがしっかりしてないばかりに失敗した事例をいくつも見ているし、その逆も然り。
どんなに苦手でいやな勉強でも、「絶対テストで合格してやる!」という意思があれば、合格点は勝ち取れるものなのだ。
実際、こんなことがあった。
今年2月の受験で無事に第一志望の早稲田実業に合格した男の子の話である。
その子は小さなときから算数が大好きで、他の子が苦戦する難問にも、いつも1人だけ最後まで粘り続けるような根気強い子供だった。
しかしながら彼は大がつくほどの国語嫌い。模試でもせっかく算数で出来たアドバンテージを国語で台無しにしてしまっていた。
「攻め」ばかりに一生懸命で、肝心の「守り」がお留守だったのだ。
どれだけ熟語を覚えても、しっかりと問題を解いても成績が上がらないので国語が大嫌いになり、
すっかり「国語なんかやっても絶対に出来ないんだ」と思い込んでしまっていた。
どんな問題も最後まで解き続けるような根気を持った子が……、である。
いつまでも上がらない成績にお母さんも半ばあきらめムードとなり、その「負のオーラ」が伝染してしまったこともあっただろう。
その後、縁あってお母さんと直接お話することがあり、ご家庭の抱える「負のオーラ」を目の当たりにした私は思わず「これじゃあ早実に合格できない!」と一喝。
「本当に合格したいと思うなら、必ずその気持ちに応えて見せます」と言い、最終的に私の塾へと移籍してきた訳だ。
すっかり国語に自信喪失してしまったその子に対して、まず授業では徹底的に「形」を叩き込んだ。
また、「形」によって読み取れる論理に、印をつけさせる事をとことんやらせた。
しかし大前提として、常に「絶対に国語が出来るようになる! 早実に合格できる!」と授業中に言い続けたのである。
するとどうだろう、ある種の催眠効果かもしれないが、授業に対する取り組み、そして理解度が飛躍的に良くなった。
「しっかりと勉強すれば必ず合格できるんだ!」という信念が、その子の中に芽生えたのだ。
そして「形」も繰り返し授業で触れたので、徐々に読解力も向上、成績も着実に伸びていった。
ついには一番の得意教科が国語になり、「攻め」と「守り」が充実した彼は念願の早実合格を勝ち取ったのである。
彼曰く、試験本番では「国語がいちばんできた」そうだ。「諦めないで本当に良かった」とは、合格直後の喜びの声。
これは国語だけの話ではない。中学受験に挑む上で確実に理解しておいて欲しいことである。
「無理だ・・・」と口にした瞬間に、可能性はゼロになる。逆に「必ず出来る!」と言い続ければ、可能性は確実に大きくなっていく。
そして一生懸命、本気の努力を続けた結果、子供たちは大きく成長するのだ。
